「大手コンサルティングファーム出身者」に限定したフリーコンサルマッチングプラットフォーム
──貴社のビジネス/サービスについて教えてください。どのようなビジネス/サービスですか。
弊社では、私が元々デロイト トーマツ コンサルティングというコンサルティング会社出身であったことから、コンサルティングファーム出身のフリーランス、通称、フリーコンサルと企業をマッチングするマッチングプラットフォーム フリーコンサルクラウド「PERSONA」を展開しています。
大手コンサルティングファーム出身者の次のキャリアとしては、スタートアップ・ベンチャーへの転職や大手事業会社の経営企画や新規事業部などが多いかと思いますが、昨今はフリーランスの台頭、活用の一般化もあり、コンサルタントもフリーランスとして活躍する機会が非常に増えてきています。ただ一方でフリーコンサルとして活躍しようにもその案件を獲得することはやはり一個人が行うことは非常に難しいのが実情です。
そこで弊社ではそのような優秀なフリーコンサルの代わりに企業に提案活動を代行し、フリーコンサルにはプロジェクトという活躍の機会を提供しています。
企業にとってはフリーランスは安かろう悪かろうという不安を持たれている企業様も多くいらっしゃいます。一方で弊社からご紹介するフリーコンサルの方々は大手コンサルティングファーム出身者の方々です。大手のファームに在籍していたから必ずしもいいというわけではありませんが、一般的なコンサルティング費用に比べてかなり割安で、その上、大手コンサルティングファームと同様のメニューを受けることができるとなればかなり「お買い得」であるというところでクライアントからご愛顧をいただいております。
「働く」ということを自身が選べること、キャリアを能動的に選ぶことで、働くということを希望的に捉えられるようなプラットフォームに
──貴社がそのビジネス/サービスを始めたきっかけや背景は何ですか。
大きくは2つあります。1つはコンサルティングファームに在籍しているとどうしても組織としての役割に本人の希望が埋もれてしまうという事実があったことです。もう1つが前職のつながりからフリーランスとして活躍したい人そしてフリーランスを活用したい人、両方からお引き合わせのご希望をいただく機会が多かったことです。
1つ目に関しては、やはりコンサルタントもサラリーマンですので、売上を上げるためにまたは何かしらのバリューを出すために時には自身がやりたくないプロジェクトに従事することもあります。そもそもとして多くの人は本来的にやりたかったプロジェクトにつける人というのは少なくはないですが多いとは決して言えないはずです。
その中で例えば、将来的になくなりそうなスキルや技術に関するプロジェクトに従事させられているコンサルタントは、どうしても今後のキャリアに不安を持つことになります。しかし他のプロジェクトに希望を出そうと思っても、やはりアサインされてしまうのは今すぐに売り上げにつながるようなプロジェクトばかりになってしまうのです。これでは本人のキャリア形成にどうしても繋がらないという事実があります。
このようにキャリアを、言ってしまえば、我慢していた方々、を多くコンサルティングファーム時代に見てきました。社会人かつサラリーマンである以上致し方ない点はもちろんあるのですが、いつかこの課題は解決したいと思ったのが原体験としてあります。(その点においてはフリーランスになってしまえば自身が希望するプロジェクトにアサインがされるので、今後のキャリア可能性という点ではかなり広がるかと思います。)
次に2点目に関しては、これも前職のつながりで私に対してリサーチであったりコンサルティングプロジェクトの打診をしていただける方が数人いる中で、どうしても私の工数が逼迫してしまいどうしようかと悩んでいたことがきっかけになっています。実はこの時にまた別の同僚の人からそのようなプロジェクトを探しているという相談を受けていたため、それでは相談を受けているプロジェクトをこの人にやってもらおうというところでお顔合わせさせて頂いたことがこのマッチングサービスの始まりでもあります。
この2つの点が重なると、あくまで組織に属さずにフリーランスとして働くということはもちろんデメリットはありつつもキャリア形成であったり双方に困っていることを解決できるという風に考えてこれをプラットフォーム化することが、特に働くことが辛いと思われがちな日本においても能動的にキャリアを形成していける希望を持てるようなサービスになるのではないかという風に考えたことがきっかけです。
ファーム出身者だからこそできる「目利き」を活かしたマッチングシステムとその拡張性
──貴社のビジネス/サービスの魅力、競争優位性は何ですか。
正直なところ類似のサービスはいくつかあります。また、弊社に関してはどちらかと言えば後発組という部類でしょう。その中でもそのような先行他社を差し置いて弊社にご登録いただいたり、また企業様としてご依頼をいただいている背景としてはいくつか理由があるかと思います。
まず1つはそのマッチング精度の高さにあるかと思います。我々のサービスにおいてはマッチングを担当する者は全員大手コンサルティングファームの元コンサルタントたちです。これまで多くのプロジェクトやコンサルタントを見ていたが故に、いわゆるプロジェクトとコンサルタントのマッチメイキングの部分においてはかなりの自信があり、一度関わったお客様からかなりの長期間人員をアサインいただいていることや別部署の方とお引き合いをいただけてるのはこのマッチング精度の高さにあるかと思います。
もう1つは人材の質にあるかと思います。先ほど申し上げた通り弊社では大手コンサルティングファーム出身のコンサルタントをご紹介しております。一方で全員が全員審査を通過しているわけではなくその審査通過率は2%程度となっております。これは例えば1つのプロジェクトに関して一般的には長いと言われている案件種類にもかかわらずすぐにリリースされていたりであるとか大手ファームに在籍していたがそれが3年以下の場合であるなど、そういった弊社の基準を満たさない場合にはご紹介をお断りさせていただいております。
厳しい審査であり、マッチングプラットフォームとしては N 数が多い方がもちろんいいかと思われますが実際には登録いただいている人員の方のクオリティを担保しない限りには企業様の期待値を超えられないというところで、そのプール自体のクオリティは非常に高いままでサービス提供できているという面があります。
システムではなく結局は「人」としての評価をしてもらっている。プラットフォームと言えども、どれだけ大きくなろうとも、ビジネスにおいてはこれだけは変わらない重要な要素である。
──貴社のビジネスは創業時の困難をどう乗り越え、どのように成長してきましたか。
大きな困難というわけではないのですが、やはりサービス開始時においてはどうしても大手のサイトに優先的に登録される方が多かったのは事実です。一方で実際にご登録をいただいて面談をしていただくと、やはりコンサルファーム出身者の方だと話が早いであるとか的確にピントを抑えて案件を提案してくれるという声をコンサルタントから頂きました。
また企業側に関しても、実際に提案してくれる人材のクオリティが高く他社とはレベルが違うというところでご愛顧をいただくことが多くなってきています。また人材をご提案する際にはもちろんアピールをするのですが、その一方で留意事項というところで、気をつけるべき点に関しても合わせてお伝えをさせていただいているのでそのような「正直営業」が信頼を勝ち取っている実態でもあるかと思います。
我々はいわゆるプラットフォーマーでありこれからよりテッキーな形で効率的にマッチングを提供していくことになるかと思いますが、一方で、結局人と人との関わり合いであるということは変わりはありません。実際に弊社でもAIを活用してマッチングを行っていますが、やはり我々は人と人をマッチングさせる立場であるので、AIマッチングで定型化できない要素も多くあるかと思いますし、そこが我々としてのプロフェッショナルバリューになるかと思います。とにかくできることを最大限にすることそして誠実であることを通して信頼を獲得していくことが我々の最大のアセットであるという風に考えています。
人材業界に風穴を開ける。ホワイトカラー版のタイミーへ。
──これからの展開を教えてください。
弊社ではフリーコンサルから始まり、現在ではフリーランスエンジニア、マーケターのマッチングも実施しております。さらに、フリーランスのマッチングに加え、職業紹介事業、つまり転職のご支援もしています。日本においても働き方の多様性が出てきたことで、副業も加速し、今後はフリーランス・正社員の垣根も少しずつ無くなっていくでしょう。もちろん正社員の方が多いものの、夜や土日は副業をしたり、あるいは発注先を企業ではなく、フリーランス・副業の方を選ぶなど、「仕事」と言う観点で見るとその選択肢の境目は限りなく無くなってくるのだと思います。
この点から考えると、フリーランス事業と職業紹介事業の両方を持っている我々が次に行うべきはシームレスな人材提供・マッチングになります。我々はフリーランスマッチング事業で培ったマッチングノウハウがあり、それを生かして職業紹介にも応用、さらに、フリーランス・正社員どちらのニーズにもすぐに応えられるようなそのようなプラットフォームでの成長を考えています。
どのようなプロジェクトにおいても正社員が必要なフェーズもあれば、フリーランスが必要なフェーズもあります。例えば新規事業系のプロジェクトであれば、まだ収益化できるか今後も事業として続けていくかはわからないわけです。そこで一旦はフリーランスで初めて、正社員はその後採用をするという事例もあります。
逆に、正社員だけで初めて、そこからはフリーランスで拡大すると言う事例もあります。これはコンサルティングファームやSIer、IT系のプロジェクトなどで多い事例です。
このように、すでに正社員とフリーランスの使い分けは始まっているので、そのような需要に応えられるようなプラットフォームになっていきたいと考えています。
このように考えると、最近はスキマバイト・単発バイトが流行っていますが、我々としてはホワイトカラー版のタイミーのような存在になれればと思っています。例えば、ちょっとしたスキマプロジェクトにすぐにフリーランスを提供し、事業化しそうであれば正社員の採用をご支援する。フリーランスの方が先行してプロジェクトに入ってくれているため、採用要件は非常に明確になっているのです。
もちろんこれ以外にも様々な企画や施策はありますが現状お話できるのはこのようなところです。ただ、比較的ビジネスモデルが膠着しやすい人材業界において新たな風になれるようなサービスへと進化していくロードマップは描けており、ワクワクする毎日を過ごしています。
一日のうちに何を変えたのか。有り余ったエネルギーで世界を変えたい人材を募集。
──どのような人材に仲間に加わって欲しいですか。
あり余ってる奴、でしょうか(笑) スキル面においては、一般的なビジネススキルがあれば問題ないかと思います。むしろ過去のやり方に固執するような人や頭でっかちな人は少し弊社には合わないかもしれません。
求められることは、「何かを変えること」。簡単かつチープな話ですが、弊社ではよく、今日は何した?とよく話をします。その日一日にどのようなバリューを出せたかを非常に重要視しているのです。
ただ正直その内容はなんでも良いのです。メール送ってもいいし、郵便出したでもいい。ただその行動で自分自身や、自分の周りや、会社や、世界が少しでも良くなった、前に進んだと胸を張って言えるのであれば良い仕事をしたのだと言えるのだと思います。
そして、このようにポジティブに動くためには必ずエネルギーがいる。そのようなエネルギーを持っている人を雑に言ってしまうと、あり余ってる奴、という言い方になるのだと勝手に思っています。
弊社ではもちろん上長の意図はある程度汲んでもらいますし、報連相も比較的厳しい会社です。ただ、そのような基本さえ守ればそれぞれは自走して好きなようにしたい仕事をしてもらっています。働く時間や働く場所も基本的には自由ですからね(スタッフは除く。)。
なので、エネルギーが有り余っていて、何かをしたいけどそのパワーのぶつけ先がないという方は弊社は合うのではないかと思います。